【どこまで世界観を表現できるか?】リアリティを突きつめる舞台「煉獄に笑う」レポ
和の世界を堪能しました
唐々煙氏原作のマンガ、「煉獄に笑う」。
今月、東京と大阪でこちらの舞台公演が行われました。
そのうち、大阪公演を鑑賞したのですが、戦国時代という作品の設定により、美しくも苛烈な和の世界を目の当たりにすることになりました。
作品の背景は?
元々、同氏による「曇天に笑う」がブレイクしたことがきっかけです。
原作全6巻、外伝全3巻と刊行されたこの作品は、過去アニメ化、舞台化が実現し、一気に人気作品となりました。
今年の12月から3部作で劇場版が、そして2018年3月には実写版が公開される予定となっており、その勢いは衰えません。
一方、「煉獄に笑う」は、「曇天に笑う」から時代を遡ること300年、乱世真っただ中の舞台を背景に繰り広げられる戦国活劇です。
ストーリーは前作「曇天に笑う」と同様、大蛇(オロチ)を巡る人々の思惑と信念がぶつかり合う内容になっています。
迫力満点の殺陣
まず実際に舞台を観て驚いたのは、圧倒的な殺陣のシーンの多さです。
戦国時代という設定上、刀を交えるシーンが増えるのは当然のことなのですが、全体の8割ほどが殺陣のシーンであり、その剣戟や立ち居振る舞いなど、息もつかせぬ迫力がありました。
特に、衣装のことを考えると、和服という重く動きにくそうなイメージのそれに身を包んでいるというのに、大して乱れた様子もなく、綺麗に裾を捌きながら得物を操る姿に感心しました。
武器も刀だけではなく、マンガの特性上様々な種類の得物が出てきており、それぞれ自然と使いこなしている様子に、より強い臨場感を覚えました。
舞台を彩る要素は他にもある
また、他の面でも作品の世界観を構築するのに一役買っていました。
通常、アニメ化のあとに舞台化された場合、アニメの主題歌がテーマソングとして舞台でも使われることが一般的ですが、今回はアニメ化されていないため、この舞台のためにテーマソングを選曲、決定しました。
それが、和楽器バンドの「雪よ舞い散れ其方に向けて」です。
和楽器バンドは、その名の通りメンバーの中に和楽器奏者がおり、彼らの和楽器を取り入れて楽曲を作ることが特徴的なバンドです。
今回の作品にこれほど相応しい選曲はないかと思います。
演出についても、数多くのセットが組まれて細かく場面転換が行われており、より作品が想像しやすくなっていました。
今回に限らず、どの作品においてもその世界観を完璧に表現することはとても難しく、原作ファンにとって、その原作の雰囲気が守られるか否かが重要なことになってくるのですが、それらを承知の上で舞台化に挑戦し、様々な工夫を凝らして新たなコンテンツでその作品を表現すること、そしてその表現がとても素晴らしいものだということに喜びを感じました。
http://seiyu-journal.com/archives/1124http://seiyu-journal.com/wp-content/uploads/2017/09/煉獄-1024x682.jpghttp://seiyu-journal.com/wp-content/uploads/2017/09/煉獄-150x150.jpgエンタメアニメ,マンガ,煉獄に笑う和の世界を堪能しました 唐々煙氏原作のマンガ、「煉獄に笑う」。 今月、東京と大阪でこちらの舞台公演が行われました。 そのうち、大阪公演を鑑賞したのですが、戦国時代という作品の設定により、美しくも苛烈な和の世界を目の当たりにすることになりました。 作品の背景は? 元々、同氏による「曇天に笑う」がブレイクしたことがきっかけです。 原作全6巻、外伝全3巻と刊行されたこの作品は、過去アニメ化、舞台化が実現し、一気に人気作品となりました。 今年の12月から3部作で劇場版が、そして2018年3月には実写版が公開される予定となっており、その勢いは衰えません。 一方、「煉獄に笑う」は、「曇天に笑う」から時代を遡ること300年、乱世真っただ中の舞台を背景に繰り広げられる戦国活劇です。 ストーリーは前作「曇天に笑う」と同様、大蛇(オロチ)を巡る人々の思惑と信念がぶつかり合う内容になっています。 迫力満点の殺陣 まず実際に舞台を観て驚いたのは、圧倒的な殺陣のシーンの多さです。 戦国時代という設定上、刀を交えるシーンが増えるのは当然のことなのですが、全体の8割ほどが殺陣のシーンであり、その剣戟や立ち居振る舞いなど、息もつかせぬ迫力がありました。 特に、衣装のことを考えると、和服という重く動きにくそうなイメージのそれに身を包んでいるというのに、大して乱れた様子もなく、綺麗に裾を捌きながら得物を操る姿に感心しました。 武器も刀だけではなく、マンガの特性上様々な種類の得物が出てきており、それぞれ自然と使いこなしている様子に、より強い臨場感を覚えました。 舞台を彩る要素は他にもある また、他の面でも作品の世界観を構築するのに一役買っていました。 通常、アニメ化のあとに舞台化された場合、アニメの主題歌がテーマソングとして舞台でも使われることが一般的ですが、今回はアニメ化されていないため、この舞台のためにテーマソングを選曲、決定しました。 それが、和楽器バンドの「雪よ舞い散れ其方に向けて」です。 和楽器バンドは、その名の通りメンバーの中に和楽器奏者がおり、彼らの和楽器を取り入れて楽曲を作ることが特徴的なバンドです。 今回の作品にこれほど相応しい選曲はないかと思います。 演出についても、数多くのセットが組まれて細かく場面転換が行われており、より作品が想像しやすくなっていました。 今回に限らず、どの作品においてもその世界観を完璧に表現することはとても難しく、原作ファンにとって、その原作の雰囲気が守られるか否かが重要なことになってくるのですが、それらを承知の上で舞台化に挑戦し、様々な工夫を凝らして新たなコンテンツでその作品を表現すること、そしてその表現がとても素晴らしいものだということに喜びを感じました。bluesign bluesign0729@yahoo.co.jpContributor声優ジャーナル(β版)